犬を葬儀に参列させたい。火葬場にも連れていきたい。というご喪家がありました。正直なところ、難しい注文だと思いました。
しかし、「家族同様だからどうしても犬もいっしょに参列させたい」というご要望で、駄目もとで式場を順にあたってみました。
いくつかの式場に断られた後、なんと東久留米市にある大空会館(浄牧院)のご住職が「犬も畜生などとさげすまされているが、ちゃんとした命だ、うちは構わないよ。但し境内に小便などする事は罷りならぬ」
という有難いご返事。
次は火葬場。
多磨葬祭場も、堀ノ内斎場も、落合斎場も判で押したように「盲導犬・介助犬以外は一切ダメです。例外は認めません」という返事。
「ああ、やっぱり無理か」。 でも念の為、戸田葬祭場に問合せしてみると、
「そういうことでしたら何とかします。但し目立たぬように、そして他のお客様から苦情がでたら即退場です」
という、これも耳を疑う嬉しい返事でした。
このご喪家の犬は躾がよく、下の不始末も無く鳴くこともありませんでした。葬儀に参列し火葬場にも行けました。
「いろいろお骨折り頂いて有難う。でも葬儀屋さん、うちのような家族って増えているんですよ」 と。
確かにペットの受け入れについて、式場も火葬場も考え直す時代になったような気がしたご葬儀でした。